未経験からエンジニアを目指そうと思って調べていると、「SESはブラック」「客先常駐はやめとけ」「下請けはきつい」といった言葉を見かけることがあります。
そういう情報を何度も見ると、SESや客先常駐の求人に応募して大丈夫なのか、不安になる人もいると思います。
自分も最初は、客先常駐やSESはブラックなのかもしれないと思って、できれば避けたいと考えていました。
ただ、客先常駐だから全部だめ、と決めるのは少し雑です。自分の見方では、会社の位置づけ、案件、現場、人付き合い、フォロー体制によってかなり変わります。
客先常駐という言葉だけにとらわれず、やめとけと言われる理由と、未経験者が求人を見る前に確認したいポイントを整理します。
客先常駐はやめとけと言われる主な理由
客先常駐が不安視される背景には、働き方そのものよりも、会社の商流、案件の入り方、フォロー体制によって働きやすさが変わる点があります。
- 多重下請けで商流が深いと、単価や待遇に影響することがある
- 常駐先が変わるたびに、仕事の進め方や人間関係が変わる
- 自社の人と離れて働くと、困ったときに相談しづらいことがある
- 指示を出す人、相談する人、評価する人が分かれやすい
- 現場のレベルが高いとスキル不足でしんどい
- 常駐先との人間関係に左右される
特に多重下請けは、客先常駐やSESが不安視される理由としてよく出てきます。間に入る会社が多いほど、現場で働く人に届く単価や情報、裁量が小さくなることがあるからです。
また、客先常駐では現場ごとに文化や仕事の進め方が変わります。これを経験値としてプラスにできる人もいますが、環境変化が苦手な人には負担になることがあります。
未経験者の場合は、こうした構造を見ても「どの会社を慎重に見た方がよいのか」「何を確認すればいいのか」が分かりにくく、不安が残ると思います。
ただし、客先常駐だから必ず悪いわけではない
とはいえ、客先常駐だから必ず悪いとも言い切れません。
自分の経験では、客先常駐だからといって、極端に残業が多いブラック環境ばかりだったわけではありません。むしろ、普通に働ける現場や、分からないことを教えてくれる人がいる現場の方が多かったです。
もちろん、これは個人の一例です。どの現場でも同じとは言えません。
ただ、「客先常駐」という言葉だけで決めつけず、会社や案件の中身まで見ることが大事です。
注意したいのは下請け構造の深さ
客先常駐で特に注意したいのは、会社がどの位置で案件に関わっているかです。
下請け構造のかなり下にいる会社だと、会社に入る売上、給与に回せる原資、教育やフォローに使える余力が小さくなることがあります。
その結果、給与が上がりにくい、案件を選びにくい、現場で困ったときの調整が遅い、といった不満につながることがあります。
商流や多重下請けの仕組み自体は少し複雑なので、この記事では「会社がどの位置で案件に入っているかによって、待遇やフォローに差が出やすい」と押さえておけば十分です。
求人を見るときは、次のような表現や情報を確認したいです。
- プライム案件、直請け案件があるか
- 自社内受託や社内開発の割合
- 常駐先でのフォロー体制
- 営業担当や上司との面談頻度
- 固定残業代と超過分支給の扱い
- 案件待機時の給与や扱い
この中でも、給与や残業代に関わる項目は、面接で聞く前に求人票や労働条件の記載を見ておきたいところです。
そのうえで分からない点が残る場合は、面接や面談で確認します。お金の話を直接聞きにくい場合は、「残業代の扱いは求人票の記載どおりで合っていますか」「固定残業時間を超えた分はどのような扱いになりますか」のように、記載内容の確認として聞くと角が立ちにくいです。
案件待機時の給与、常駐先で困ったときの相談先、現場変更の相談可否は、聞けるなら確認しておきたいポイントです。
スキル不足だと、現場レベルによってはかなりしんどい
客先常駐でしんどくなりやすいのは、現場のレベルと自分のスキルが合っていないときです。これは未経験者に限らず、経験者でも起こります。
周りが当たり前に分かることが分からない。質問しても前提知識が足りない。資料を読んでも業務理解が追いつかない。
こうなると、自分だけができないように感じてかなり苦しくなります。
ただし、これは客先常駐に限った話ではありません。受託でも自社開発でも、現場レベルが合わないとしんどいです。
未経験者の場合は特に、最初の配属でどれくらいフォローがあるかを確認しておきたいです。確認するなら、次のような点です。
- 未経験者の配属実績があるか
- 未経験者が一人ではなく、同じ会社のメンバーと入ることが多いか
- 最初にどんな業務を担当するのか
- 現場で質問できる人がいるのか
- 自社側で技術相談できる人がいるのか
- 研修後すぐ、相談先がないまま一人で現場に出されないか
普通に考えれば、受け入れる側も未経験者だと分かったうえで採用するため、最初から難しすぎることばかり要求されるケースは多くないと思います。ある程度の規模がある会社なら、同じ会社のメンバーとチームで現場に入ることも多いはずです。
ただし、研修後すぐに一人で現場へ出されるかどうかは会社次第です。小規模な会社やフォロー体制が薄い会社では起こり得るため、ここは確認しておいた方が安心です。
人付き合いの相性も大きい
客先常駐では、常駐先の人と一緒に働くことになります。
ここは、人付き合いの相性にもかなり左右されます。
質問できる人がいる現場なら安心して仕事を進められますし、距離感が合わない現場だと仕事以上に消耗することもあります。
自分の経験では、教えてくれる人がいる現場の方が多かったです。だから、不安になるほどひどい現場ばかりだとは思っていません。
だからこそ、客先常駐そのものよりも、現場変更や相談のしやすさを確認したいです。
いろいろな現場を見られる面もある
客先常駐には注意点がありますが、悪い面だけではありません。
いろいろな現場に関わることで、違う技術、違う開発体制、違う考え方に触れられます。自社開発や受託では見えにくい現場の進め方を知れるのは、客先常駐のメリットの一つです。
もちろん、現場が変わること自体にストレスを感じる人もいます。応募前の時点では、「同じ環境で長く働きたいのか」「いろいろな現場を見る方が合いそうか」を自分の性格と照らして考えておくとよいです。
未経験者が求人前に確認したいこと
ここまでの内容を踏まえると、客先常駐の求人を見るときに確認したいのは次の項目です。
- 未経験者の最初の配属先
- 研修内容と研修後のフォロー
- 案件の商流やプライム案件の有無
- 固定残業代と残業代支給
- 現場変更の相談可否
- 自社社員との面談頻度
- 受託や自社開発など、他の働き方の有無
未経験からエンジニアを目指す前に見る現実は、こちらの記事でも整理しています。
▶ 未経験エンジニア転職はやめとけ?AI時代に始める前に見たい現実
まとめ: 客先常駐は言葉だけで決めない
客先常駐はやめとけと言われる理由には、注意すべき点があります。
- 下請け構造の深さ
- スキル不足で現場についていけないリスク
- 常駐先との人間関係
- 現場が変わる働き方との相性
- 自社側のフォロー不足
- 待遇や残業代の確認不足
ただ、客先常駐という言葉だけで避けるべきとは限りません。
求人を見るときは、会社の位置づけ、案件、フォロー体制、残業代、相談しやすさを確認しつつ、同じ環境で長く働きたいのか、いろいろな現場を経験したいのかも整理しておくとよいです。
