未経験からエンジニア転職を目指すとき、「ポートフォリオを作った方がいい」と聞いて戸惑うことがあります。
基礎学習を始めたばかりの段階で、いきなり転職用のアプリを考えるのはかなり難しいです。
何を作ればいいのか以前に、そもそも自分で一から作れるのかが見えていないことも多いと思います。
不安になるのは自然です。ポートフォリオは、学習の成果でもあり、転職活動で見られる材料にもなるので、失敗したくないと感じやすいからです。
ただ、最初から完璧な機能を作らないといけないと思うと、作り始める前に止まりやすくなります。
ポートフォリオを考えるときも、最初は「これが作れたら少し便利そう」「動いたら面白そう」くらいの軽い実験として捉える方が、手を動かしやすいです。
ポートフォリオで何を作るかを考える前に、最初にどういったことを考えればよいかを分けていきます。これを作れば必ず評価される、という話ではありません。
まずは「すごいもの」より「説明できるもの」を考える
ポートフォリオを作るとき、つい「他の人よりすごいものを作らないと」と考えてしまうことがあります。
でも、未経験の段階では、珍しさよりも、自分で考えて触った部分を説明できることが大切です。
面接や書類では、完成物そのものだけでなく、どこを自分で考えたのか、どこで詰まったのか、どう調べて解決したのかは当然聞かれると思います。
- 何を作ろうとしたのか説明できる
- どこを自分で変更したのか説明できる
- 分からなかった点を言語化できる
- 調べたことや試したことを話せる
- 次に直したい点を自分で把握している
「何を作れば正解か」より、「自分が触った部分を自分の言葉で話せるか」を先に考えると、少し決めやすくなります。
最初から本格的なWebアプリを作れなくてもおかしくない
ポートフォリオが必要だと思っても、最初から自分だけで本格的なWebアプリを作るのは簡単ではありません。
まずは教材や学習サイトで手を動かす段階が先です。教材の内容を少し理解できて、もう少し自分で変えてみたいと思えたときに、ポートフォリオの入口を考えるくらいで十分です。
画面を作るだけでなく、入力した内容を保存する、保存した内容を表示する、あとから変更できるようにする、といったことを考え始めると、急に難しくなります。データベースや画面の流れも関わるので、基礎学習を始めたばかりの人がすぐに全部できないのは当然のことです。
- 教材で作ったものの文言や画面を少し変える
- サンプルの色、項目名、表示内容を自分のテーマに寄せる
- 入力欄を1つ増やしてみる
- 詰まった場所と調べた内容をメモする
- どこを自分で考えて変えたのかを説明できるようにする
最初から全部を自作できなくても大丈夫です。大事なのは、借りたコードや教材のままにせず、自分で理解した部分、自分で変えた部分、まだ分かっていない部分を分けて話せるようにすることです。
働きながら学習している場合は、なおさら大きなものを一気に作ろうとしなくて大丈夫です。仕事の後に学習や制作を進めるのは負荷が大きいので、1日で完成させるより、今日は1つだけ変える、週末に少し動かす、というくらいに区切った方が続けやすいです。
テーマは、自分が分かる範囲に寄せると考えやすい
何を作るか迷う場合は、自分の経験や困りごとに近いテーマを選ぶと考えやすくなります。
- 学習した内容をメモする画面
- 今日やることを書き出す簡単なリスト
- 読んだ本や教材を記録する一覧
- 支出や買ったものをメモする画面
- 前職やアルバイトで困った作業を少し楽にする小さなツール
テーマが派手でなくても大丈夫です。むしろ、最初は自分が使う場面を想像できるものの方が、なぜ作ったのかを説明しやすいです。
ゲームのチャレンジのように、「今日は入力欄を1つ増やせた」「一覧に表示できた」「エラーの理由を1つ理解できた」と小さく進める感覚でも構いません。完成品を一気に作るより、小さな達成を積み上げる方が続けやすいです。
ポートフォリオは必須ではないが、作る意味は大きい
未経験からの転職で、ポートフォリオが絶対に必要とは言い切れません。自分自身も、結果的にはポートフォリオを作らずに転職しました。
ただ、それをそのまま再現できるとは考えない方がいいです。作れるなら、小さくても何か形にした方が、選択肢が増え、自分の希望に近い会社を選びやすくなりますし、応募先にも自分のスキルを伝えやすくなります。
ポートフォリオは、採用のためだけに作るものではありません。分からないことを調べる、エラーを直す、画面やデータの流れを考える、作ったものを説明する。こうした作業が苦痛すぎないかを見る、エンジニアとして働く前の練習にもなります。
まずは、完成度の高い資料を作るより、自分が作ったものを短く説明できる状態を目指します。
- 何を作ったのか
- なぜそのテーマにしたのか
- どこを教材から変えたのか
- どこで詰まったのか
- 次に何を直したいのか
このくらいなら、始めたばかりでも少しずつ言語化できます。きれいな説明文を最初から用意するというより、自分の学習と制作の跡を見える形にするイメージです。
最近はAIを使えば、簡単なアプリの形だけなら作りやすくなっています。ただ、AIに丸投げして完成したものをそのまま出すだけでは、技術的な質問に対して当然説明がうまくできなくなります。
AIを使う場合でも、何を作ろうとしたのか、どこをAIに相談したのか、出てきたコードをどこまで理解したのか、どこを自分で直したのかを説明できることが大事です。
作ることそのものより、作る過程を自分の言葉で話せるかが見られやすくなると思います。
まだ最初の準備で迷っている場合は、先に学習を続けられそうかを整理してからでも大丈夫です。
▶ 未経験からエンジニアを目指すのが不安な人へ|最初に整理したい準備
まとめ|作るものより、説明できる状態を目指す
未経験エンジニアのポートフォリオは、何を作るかで迷いすぎると手が止まりやすいです。
最初は、教材やサンプルを使いながらでも大丈夫です。いきなり本格的なWebアプリを作ろうとせず、「ここを少し変えたら便利そう」「この動きが作れたら面白そう」という小さなチャレンジから始めてみてください。
派手なものを作るより、自分が理解できる範囲で小さく形にすること。そのうえで、どこを自分で考えたのかを話せるようにすることが、最初の一歩になります。
