SESを辞めたいときはどうする?現場変更か転職かの判断基準

社員証と配属資料、履歴書と求人票を前に、SESの現場変更か転職かを考えるエンジニア

現場についていけない。スキルが伸びている気がしない。常駐先との相性が悪く、将来も見えない。こうした悩みが重なると、「もうSESを辞めたい」と思うのも無理はありません。

必要な行動は、理由で変わります。現場だけの問題なら調整し、難しければ現場変更を相談します。給与・評価・営業対応なら所属会社で確認し、難しければ会社変更を考えます。現場を変えても負担が続く場合は、勤務場所や配属の決まり方など、客先常駐に共通する条件が原因かを確かめます。当てはまるなら、客先常駐を前提としない求人を比べます。

自分のSES経験でも、所属会社の配属方針、案件、現場の雰囲気、人付き合い、スキルとの相性で働きやすさは変わりました。

「何がつらいか」だけでなく、「原因はどこか」まで確かめると、最初の行動を選びやすくなります。

目次

SESを辞めたい原因を3つの観点で確認する

辞めたい原因がどこにあるのか、次の3つの観点で確認します。複数に当てはまる場合は、今の負担が最も大きい区分から、対応する行動を選んでください。

  • 現場の問題: 業務の難度、担当内容、フォロー、人間関係など、今の常駐先に原因がある
  • 所属会社・待遇の問題: 給与、評価、営業担当の対応、配属方針、相談体制に原因がある
  • 客先常駐で繰り返す負担: 現場が変わるたびの環境変化や、客先常駐を続けることが負担になっている
SESを辞めたい原因を現場・所属会社・客先常駐の3つで確認し、現場内調整の可否、会社での変更余地、客先常駐に共通する負担の有無から次の行動を選ぶ分岐図

今の現場だけが問題なら、調整して難しければ現場変更を相談する

業務の難度が高すぎる、希望と担当がずれている、質問しにくい、レビューを受けにくい、特定の人間関係だけがつらい。こうした問題が今の現場に限られ、別の現場なら続けられそうなら、退職より先に業務調整や現場変更を相談する余地があります。

今の現場に残る余地を確かめるなら、直近で止まった作業を1つ選び、リーダーやレビュー担当に次の4点を確認します。経験のない仕事を避けるためではなく、どこまで自分で進め、どの段階で質問やレビューを依頼するかを決めるための確認です。

  • 完成状態: 何をどこまでできれば、その作業は完了か
  • 自分で進める範囲: どこまで進め、どの時点で質問するか
  • 質問先: 仕様、技術、進め方の不明点を、それぞれ誰に聞くか
  • レビュー時期: 着手前、途中、完了後のどこで見てもらうか

回答に合わせて、担当範囲を明確にする、初めての作業は途中レビューを入れる、質問先を決めるなどを相談します。こうした調整ができない、または調整しても同じつまずきが続く場合は、所属会社へ現場変更を相談します。

所属会社へは、困りごと、現場で試した調整、希望する対応を伝えます。たとえば、質問先が決まらず作業が止まる場合は、次のように整理できます。

  • 困っていること: 「テストの実施を担当していますが、仕様の判断に迷うと作業が止まります。」
  • 現場で相談したこと: 「リーダーに質問先とレビューの時間を相談しましたが、まだ決まっていません。」
  • 希望する対応: 「質問できる体制を整えられるか、難しければ現場変更も含めて相談したいです。」

相談の最後に、会社側で確認することと、返答の目安を聞いておきます。今の会社で変えられるかどうかは、返ってきた内容をもとに判断します。

実際に働いた中には、穏やかな雰囲気で、スケジュールにも余裕があり、自分が技術面で信頼できると感じた人と働けた現場もありました。

客先常駐だからといって、どこも極端に悪い現場だったわけではありません。今の1現場だけで、SESの会社やエンジニアの仕事全体が合わないと決める必要はありません。

仕事の難度、質問先、レビューの受け方を見直す手順は、こちらの記事で読めます。

▶ SESでスキル不足を感じて辞めたいときに整理したいこと

給与・評価・営業対応は、今の会社で変えられるか確認する

所属会社を変えるべきか判断するには、不満ごとに「現在の取り決め」と「今の会社で変更できる余地」を確認します。次は、その内容と確認先です。

  • 給与・残業代: 労働条件通知書と給与明細を照らし、基本給、手当、固定残業代の対象時間、超過分の支給を確認する
  • 評価: 評価資料を見て、誰が何を基準に評価するのかを確認する。不明なら上司や人事へ聞く
  • 待機・現場変更: 就業規則や社内ルールを見て、待機中の給与と現場変更の手順を確認する。不明なら営業担当や人事へ聞く
  • 配属希望・相談体制: 希望する案件の伝え方、配属を決める人、困ったときの相談先を営業担当や上司へ確認する

確認した結果、担当者との相談や社内手続きで変えられるなら、まず今の会社で改善を依頼します。基本給の決め方、評価制度、配属方針など、今の会社では変えられないと分かった条件は、会社を変えるときの比較項目にします。

転職先の給与を比べるときも、案件単価や還元率だけではなく、月給、賞与、固定残業代、待機中の給与など、自分に支払われる条件を確認します。

客先常駐に共通する負担があるなら、常駐を前提としない求人を比べる

現場変更の経験がない場合は、別の現場でも同じ負担が続くかを想像だけで決めず、先に今の現場と所属会社で変えられることを確認します。それでも、客先で働くことや配属を自分で決めにくいこと自体が負担なら、この節の求人軸を使います。

複数の現場で同じ負担が続いても、それだけで客先常駐が原因とは決めません。勤務場所、配属の決まり方、評価者との関係など、個別の案件や人間関係ではなく客先常駐に共通する条件が負担かを確かめます。

同じ所属会社の配属方針や評価制度が原因なら、客先常駐の問題ではありません。前の節で、今の会社で変えられるかを確認します。

客先常駐に共通する条件が負担なら、自社開発、社内SE・情シスなども含め、客先常駐を前提としない求人を中心に比べます。共通していなければ、今の現場か所属会社の問題として前の節へ戻ります。

受託開発でも客先常駐の求人はあるため、職種名だけで決めず、勤務場所、担当業務、配属の決まり方、評価者を求人票や面談で確認します。

エンジニアの仕事そのものが合わないと感じる場合は、IT職だけに絞らず、他の職種も含めて転職先を探します。その際は、これまで苦になりにくかった作業や得意だったことを手掛かりに、仕事内容を比較します。

SESを離れることと、エンジニアを辞めることは同じ判断ではないため、まず客先常駐を離れたいのか、職種そのものを変えたいのかを分けて考えます。

退職・転職を選ぶなら、次の職場で変えたい条件を決める

退職や転職を選ぶ場合は、「SESを辞める」だけで終わらせず、次の職場で何を変えたいかを決めます。

ここまでの確認で分かった「今の会社や働き方では変えにくいこと」を、次の職場で確認する条件に置き換えます。たとえば、次の内容です。

  • 担当・フォロー体制: 入社後の担当業務、質問先、レビュー担当が分かるか
  • 待遇・評価: 基本給、固定残業代、待機中の給与、評価する人と基準を確認できるか
  • 配属・働く場所: 配属の決まり方、現場変更の相談手順、客先常駐の有無を確認できるか

すべてを同じ優先度にせず、「同じ問題を繰り返さないために外せない条件」と「入社前に相談できればよい条件」のどちらに当たるかを決めます。

転職先に求める条件がまとまり、求人を探す相談先も知りたい人は、次の記事で希望する働き方や今の経験に合うサービスを確認してください。
▶ SESから環境を変えたい人向け転職サービス比較

今日決めるのは、最初の行動を1つだけ

今日中に退職の結論まで出す必要はありません。まず、次のうち自分に合う行動を1つ選びます。

  • 今の現場だけが問題なら、直近で止まった作業の完成状態・進める範囲・質問先・レビュー時期をリーダーへ確認する
  • 所属会社の問題なら、該当する資料か、営業対応・相談体制で困った事実を1つ用意し、内容に応じた担当者1人へ質問する
  • 客先常駐に共通する条件が負担なら、勤務場所・配属の決まり方・評価者など、次の職場で外せない条件に優先順位を付ける

まだ何を変えるべきか決められない人は、診断で「今の現場」「所属会社」「客先常駐を続ける働き方」のどこから見直すかを整理できます。

▶ エンジニア転職ルート診断

診断結果は退職・転職の結論ではなく、最初に相談する相手や、次の働き方で変えたい条件を決める材料にしてください。

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この記事を書いた人

未経験からエンジニアへ転職し、現在はフリーランスとして活動中。学習・転職活動・実務で感じたギャップをもとに、未経験者向けにエンジニア転職の判断材料を発信しています。

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